これら2枚の円盤は、その直径と厚さが異なります。 名詞や代名詞に「は」や「が」がついていると、和文では一般に、それは主語であることを暗示します。
「は」と「が」の処理 従って、本文は、「は」のつく 「円盤」 が主語なのか、あるいは「が」のつく「直径と厚さ」が主語なのか、いったいどちらなのか迷います。一個の文に主語が二つも要らないのです。一家の主人は一人いればよいのです。 「日本は人口密度が高いです。」 とも言いますが、 これも同様に 「日本」 が主語なのか、 あるいは 「人口密度」 が主語なのか不明です。いわば瞬時に英訳しなければならない “同時通訳泣かせ”です。このようなとき、 ほとんどの場合は、「は」のつく名詞(代名詞)を主語とするとうまくゆきます。従って、本文の場合は 「円盤」 を主語としますと、その結語の部分は「異なります」となります。 「が」 のつく名詞/代名詞は、別途に考えます。
動詞と形容詞と 「異なって」という形容詞は different で、 「異なる」 という動詞は differ です。 まず形容詞の different を使って見ましょう。 主語はこれら 「2枚の円盤( disc )」ですから these two discs となり、 その結語の部分は 「異なって います」 だから、次のようになります。
These two discs are different <その直径と厚さが>前置詞 in の効用 上記で< >内は、その 「が」 を、むしろ、 「において」 と変えてしまいます。 これがポイントです。 すると、前置詞の in が頭に浮かびます。 つまり、この in で、これらの名詞をつなぐわけです。 「直径」 は diameter で 「厚さ」 は thickness ですから in diameter and thickness となります。 このとき、これらの名詞に冠詞は、一切ついていない点に注意しましょう。 These two gears are different in diameter and thickness. 今度は 「異なる」 という動詞を使ってみます。 differ です。 これは、自動詞です。 だから 、are different を differ にしてやれば、それでよのです。
These two gears differ in diameter and thickness. この different とか differ を発展させて行きますと、 たとえば 、「これら2枚の円盤は、 一つは他の円盤よりも2倍大きいという点で異なります」 といいます。
文の場合 つまり、異なる点が上記例文では、「直径 diameter」と「厚さ thickness」という “名詞”であったわけですが、 今度は、そうではなく、ひとつの“文”となっています。 その文で、ある場合の扱い、 処理を知って初めて、 「AとBは何何が異なる」 式の表現が、完全に英文でできるのです。
この“文による異なり方”の正しい表現について、「真剣に学びたい」 「 英文文書を正しく書けるようになりたい」と願う方、どんな質問でも結構です。どうぞ、本学まで連絡下さい。
英会話も作文力あってのこと 書く代わりに“英文を口に出す”のが英会話です。だから、その英文が書けなければ話せないのです。英会話が不得手なのは、自分で言いたくてもその英文が書けないからです。他に理由などありはしません。作文力をつけない限り、挨拶や道案内のような観光シーンにおける決まり文句などを暗記する英会話レッスンは、動物調教と同じであり、実社会での思考力を求められる実用語学力には程遠く、ほとんど役立ちません。
教授 中野幾雄
直通電話 : 090−8451−7119
朝日カルチャーセンター(東京)講師
著書 : 一般/職業/技術 20冊以上