車間距離は、走行速度の数値にメートルをつけたものが適切である。 この文の意味するところは、もし、車が時速100キロで走っているのなら、その車の車間距離は100メートルが望ましい、ということになります。
「車間距離」はどのように 「車間距離」は、 「自分の車とその前にある車との距離」というわけで、 従って、その英語は the distance between your car and the one ahead of you とするのですが、 これは driver を特定したときの、 その人の身になっての場合の表現ですが、 本文の場合は特に driver を特定しないで一般論としての場合と見て、 「車間距離」 は、そのまま the distance between cars (車と車との距離) とします。
おかしな英文ができたら そして、これを主語としますと、その結語の動詞の部分は 「適切である」 というわけですが、 これらをつなげて 「車間距離 is 適切」 というのは、どう見てもおかしな文です。 このようなときには、末尾にある、その形容詞 「適切な」 を主語を形容するものと考えて、 思い切って、その前に移動するのです。つまり、主語は 「適切な車間距離」 にするということです。すると、次の図式ができます。
適切な車間距離 is <走行速度の数値にメートルをつけたもの>上記図式の< >内の 「もの」 が is の後にくる名詞であると分かります。そして、残りの語句が、その 「もの」 を形容していると見ることになります。
「もの」って では、その is の後にくる 「もの」 って一体何でしょう。 どんな名詞がそこに来ればよいのでしょうか。 これは、この英文の要(かなめ)というべきもので、 よく考えなければなりません。 学習とは畢竟( ひっきょう )考えることを学ぶことなのです。 これは、ほかでもありません。 「車の速度( vehicle speed ) である」 ということに気づいた人は、日本語/英語を問わず語学に抜群の才のある人と言えます。 次のようになります。
適切な車間距離 is the vehicle speed
<走行速度の数値にメートルをつけた>適切かつ意表外のさばき 上記< >内は、前述したように speed を形容するものですが、 「走行速度の数値」 は、すでに speed で十分表されていますので、 それは無視して残りの 「メートルをつけた」 だけを考えればよいのです。
適切な車間距離 is the vehicle speed
<メートルをつけた>しかし、これが難しいのです。 いろいろ考えた結果、 これは 「メートルで表された」 と言い換えたらよいのではないか、 と気づきたいのです。 しかし、我が国では、車のspeed は 「キロ kilometer 」 で表されていますので、 次のように表現しましょう。
適切な車間距離 is the vehicle speed
<キロではなく, メートルで表された>「キロではなく」は当面無視して、 「メートルで表された」 だけを考えます。 この形容は関係代名詞を必要とします。
何が欠落しているかの確認 従って、形容する語句を一個の文と見る方式で考えますと、 「(何が) メートルで表された」 のか不明です。 つまり、この形容の語句には主語が落ちていると言えます。 そこで、そこに使う関係代名詞の which は、 その欠落している語、つまり、主語と見立てて作文して行けばよいのです。 すると、その結語は 「表された」 といっていますが、 これは決して過去形ではなく 「表される」 というべき現在形なのですから which is expressed となります。 これは、受身形であることを確認してください。 そこで次の図式ができます。
適切な車間距離 ( proper distance between cars ) is the vehicle speed
<which is expressed メートルでキロではなく>「メートルで」 は in meters とします。 前置詞の in を使うことが大切です。 そして、最初に無視した 「キロではなく」 は、その in meters のあとに but でつなぎます。 このとき、それは否定ですので、not をその後に使うことを忘れてはなりません。
The proper distance between cars is the vehicle speed which is expressed in meters, but not in kilometers. 移動と省略 また、 vehicle speed は、前述したように kilometers で表していますので、 これを先に否定して述べてやるのが親切であると考えつく人は、その部分の not in kilometers を先に出すこともできます。 また、すでに上記英文のように関係代名詞の which が主語となって、その結語の動詞が受身形の場合には、 その which と be動詞が省略できますので、 そのようにします。
The proper distance between cars is the vehicle speed expressed not in kilometers but in meters. 関係代名詞/副詞について、もっと詳しく知りたい方、 電話下さい。 応用自在の実力をつけて差し上げます。
教授 中野幾雄
直通電話 : 090−8451−7119
朝日カルチャーセンター(東京)講師
著書 : 一般/職業/技術 20冊以上